雲州人参の薬膳フォカッチャ
高麗人参のエキスと農園のローズマリーを練り込む。塩分控えめで咀嚼しやすく、高齢者への配慮が設計の核にある。食と健康をつなぐ一枚。
薬膳×高齢者設計「土が違えば、パンが違う。
大根島でなければならない理由が、ある。」
太古の溶岩が形成した黒ボク土。江戸時代から続く牡丹と雲州人参の栽培文化。中海に抱かれた温暖な発酵環境——大根島には、パン文化が生まれるべくして生まれる条件が揃っている。
それは感情論ではない。地理・地質・気候・歴史の積み重ねから導き出される、論理的な必然だ。
溶岩台地の上に形成された水はけの良いミネラル豊富な土壌。約300年の歴史を持つ園芸文化の基盤であり、多様な野菜・ハーブの栽培に適した大地。
中海に浮かぶ、温暖な湿潤気候と安定した気温が、天然酵母の培養に理想的な環境をつくる。畑×酵母×火——パン文化の三要素がここに揃う。
江戸時代から続く牡丹栽培と「雲州人参」の名で知られる高麗人参。薬草としての歴史と島の文化的誇りを、食べる形に再定義する。
牡丹の花びらから天然酵母を培養する試み——世界的にも実用化事例がほぼ存在しない。「大根島オリジナル酵母開発」として語れる唯一無二の要素。
炎の記憶と、漂い広がる香り。
大根島の本質を、二つの言葉に込めた。
大根島の成り立ちである火山の記憶。十数万年前の溶岩が黒ボク土となり、今なお牡丹と高麗人参を育てるこの大地のエネルギー。そして、薪窯でパンを焼く炎のぬくもりと、人が地域に関わり続けようとする情熱。
大根島に流れ着いた人々、文化、素材——数百年の時間をかけて積み重なったもの。パンが焼けるとき、その香りが風に乗って湖の上を渡っていく。漂うことは、失うことではなく、広がることだ。
大根島の土・人・記憶を「パン」という形にし、人が島に帰ってくる理由を育てる。消費ではなく参加の文化を根付かせ、三世代が同時に主役になれる「共創の場」をつくる。
10年後、大根島の子どもが「このパン、うちの島の味だよ」と言える島をつくる。牡丹と高麗人参の島が、発酵とパンの文化でも語られる島になる。
参加する喜び、記憶を渡す喜び、土に生きる喜び——消費者を共創者に変え、お年寄りの知恵をレシピに、島の土壌をパンの哲学に。
月1回、てらすやのカフェ+農園を舞台に。
三世代が不可欠な役割を担う「共同創造の場」。
よもぎ・野草の採取場所を知る唯一の存在。昔の大根島の暮らしと食文化を記録する「生きた図書館」。成形補助・味見・語り部として体力不問で参加可能。
農園での素材の発見と収穫、当日の食材を決める権限を持つ。生地をこね、形をつくり、トッピングを並べる。「自分がつくった」という成功体験が次の参加への動機になる。
安全管理と進行(炉・刃物・熱の管理)、世代間の会話をつなぐ「通訳者」として機能。当日の記録係・レシピ整理・写真撮影を担当する。
子どもが今日の素材を「発見」し、お年寄りが名前と食べ方を教える。
全員で食材を決める15分間。民主主義のパン。
こねる・成形・発酵待ち。三世代が混合チームで取り組む。
お年寄りが「昔この島で食べていたもの」を語る時間。記録係がメモする。
農園の見える席で全員一緒に食べる。
次回の素材・役割を話し合う5〜10分。「いないと困る」関係が続いていく。
素材に根拠があるから、パンに物語が宿る
高麗人参のエキスと農園のローズマリーを練り込む。塩分控えめで咀嚼しやすく、高齢者への配慮が設計の核にある。食と健康をつなぐ一枚。
薬膳×高齢者設計島の火山土壌で育つしいたけ・舞茸をバターソテーして包む。噛むほどに旨みが増す体験を届ける、咀嚼を楽しむパン。
火山土壌×きのこ島の形に成形した平焼きパンに、農園の野菜を地図のようにトッピング。「ここが由志園」と話しながら食べる——会話が生まれるパン。
子ども定番島の野原で摘んだよもぎを生地に練り込む。「よもぎをどこで摘むか知っているのはおばあちゃんだけ」——記憶を呼ぶパン。
世代間の記憶農園のローズマリー・タイム・大葉などを刻んで巻き込む。「ぐるぐる巻く」作業が子どもに人気。四季それぞれで異なる風味が楽しめる。
四季の農園ハーブ牡丹の形に成形し、牡丹色のアイシングを。将来的には世界初「牡丹酵母パン」を目指す実験的チャレンジ。大根島の精神的旗印。
オリジナルへの挑戦
特別な知識も、プロの技術も必要ない。
大根島の風土が生んだ2つのオリジナルパンは、
初めてパンを作る人でも、おいしく仕上げられる。
大根島の溶岩台地が育てたさつまいもを、炭パウダーで黒く染めた生地に包む。外は火山のような漆黒、中はほくほくの黄金色。
江戸から続く牡丹の島らしく、ビーツで染めたピンクの生地に白いアイシングを雪のように。見た目も味も、島の誇りを詰め込んだ一品。
ふたつ並べると、大根島の風景が食卓に広がる。
同じ山型の生地でも、素材を変えれば全く違うパンになる。
季節の食材や好みに合わせて、あなただけのアレンジを楽しんで。
てらすやのカフェ(店内)と隣接する農園(約100坪)は、パン製造の補助施設ではない。文化が生まれ、記憶が積み重なり、人が役割を持って帰ってくる場所として再定義される。
カフェの壁には、子どもたちの作品写真・お年寄りの聞き書きレシピが常設展示される。来るたびに更新される「島の成長日記」として。
人は、名前を呼ばれる場所に戻ってくる。
参加者一人ひとりに「係」という役割を渡す。
前回仕込んだ酵母の状態を確認・報告。次回へのつなぎを担う。「今月の酵母、どうだった?」と聞かれる場所に人は戻ってくる。
今月摘めるよもぎ・野草の情報提供。お年寄りが自然と担う役。知識が「力」になる瞬間。
語られた食の記憶をノートに書き留める。将来の「島のレシピ集」になる。記憶が文化になる。
イベントの記録を撮影。カフェの壁の展示を更新する。毎回新しいページが加わっていく。
次回のイベント告知の手書きボードを作成する。島中に「また来る理由」を描いていく係。
次回使いたい素材を農園で育て、当日持参する。自分が育てた食材がパンになる体験。
日本の地方が直面している現実を、私たちは正直に見ていたい。
パンを焼くことは、地域の記憶を守ることであり、
消えかけているコミュニティに「帰る理由」を育てることでもある。
それが、地方創生の本質だと私たちは考える。
数字の背後にある、人の暮らしと文化の危機
若者の流出が続き、高齢化率が4割を超える地域も増えている。学校が閉じ、商店街が消え、祭りの担い手がいなくなる。コミュニティの消滅は、数百年かけて育まれた社会的資本の喪失だ。
農林水産業の担い手不足、中小企業の後継者問題——地方経済の空洞化は、地域固有の産業文化まで飲み込んでいる。一次産業の崩壊は食料安全保障の問題でもあり、国全体の脆弱性に直結する。
方言、伝統食、民俗芸能、在来農法——地域に固有の「知」と「美」は、それを担う人がいなくなった瞬間に永遠に失われる。一度消えた文化は、どれほどの予算を投じても復元できない。
地方創生とは、地方を「救済する」ことではない。
— 大根島まるごとパンプロジェクトが向き合う問い
地域の固有性を価値に変え、
人が「選んで帰ってくる理由」を育てることだ。
どこにでもあるものを「また」作っても意味がない。その土地にしかない素材・気候・歴史・人——固有性こそが最強の差別化であり、根付く理由を生む。
消費者を「共創者」に変える仕掛けが持続性を生む。役割を持って関わり続ける設計。「係」という名の関与が、人を繰り返し呼び戻す。
お年寄りの知恵がレシピになり、子どもの体験が誇りになり、大人の役割が文化を守る。三世代が互いに「いないと困る」関係をつくることがコミュニティ再生の核心だ。
「移住するか、しないか」の二択を超えた第三の道——関係人口という概念が、都市と地方の新しい関係を定義する。週末に帰れる、月一で関われる、それで十分な「深さ」がある。
語られた昔話、失われかけた農法、特定の人しか知らない摘み草の場所——これらは消えゆく「過去」ではなく、発掘されるべき「資産」だ。記録が文化になり、文化が産業になる。
大規模な開発より、小さな確信から始まる実践のほうが根付く。6人から始まるパンの日が、10年後に「大根島といえばパンの島」という文化になる。
定住人口(居住者)と交流人口(観光客)の間に、第三のカテゴリーがある。それが「関係人口」だ。特定の地域に継続的に関与し、地域と深い関係を結ぶ人々——週末帰省者、リモートワーカー、文化活動の担い手、故郷出身の都市生活者。
関係人口は単に「来てくれる人」ではない。地域の課題解決に参加し、産業を支え、文化を守り、次世代に記憶を渡す——そのような深い関与が、移住と同等かそれ以上の地域への貢献をもたらす。
移住した「定住人口」でも、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のこと。国の地域づくり施策でも重視されている考え方。
関与の深さと人口タイプ(概念図)
| 観点 | 行政主導の地方創生 | 草の根の文化的実践 |
|---|---|---|
| 起点 | 予算・計画・補助金 | 一人の人間の確信と愛 |
| 参加者の立場 | 受益者・利用者 | 共創者・担い手・主役 |
| 継続性の源泉 | 予算の継続 | 「帰ってきてしまう理由」 |
| 成果の測定 | 来場者数・経済波及効果 | 誇りの深さ・記憶の厚み |
| リスク | 予算縮小で停止 | 文化は自走し始める |
| 10年後 | 報告書が残る | 子どもが次世代に渡す |
「政策は地域を支援できる。しかし、地域を愛することはできない。
愛から生まれた実践だけが、政策の届かない場所に根を張り、
嵐の夜も枯れずに文化として生き続ける。」
| 出身 | 島根県松江市 |
| 拠点 | 東京都在住 |
| 平日 | 東京都内で医療事務として勤務。人の命・食・尊厳と向き合う現場。 |
| 休日 | 島根県にて手作りパン教室を不定期開催。島根の食材を活かしたパン開発を継続。 |
| 立場 | 移住者でも観光客でもない「関係人口の体現者」 |
「パンを教えたいのではありません。大根島という場所に、人が〝帰ってきてしまう理由〟を育てたいのです。」
てらすやのカフェの棚に、牡丹の形のパンが並んでいる。農園ではおばあちゃんが子どもたちによもぎの摘み方を教えている。カフェの壁には、5年前の子どもが描いた絵と、今の子どもが描いた絵が並んでいる。
東京から来た旅行者が聞く。「このパン、どこかで売ってますか?」カフェのスタッフが答える。「ここだけです。この島の土と酵母で焼いているので。」
年3〜4回、少人数(6〜10名)で試験的に開催。農園で育てられる食材とパンの相性を確かめ、「帰ってくる仕組み」の実験を開始する。
「春の牡丹パンの日」「秋のきのこパンの日」として季節イベントが定着。カフェの壁に参加者の記録が蓄積され、牡丹酵母培養実験をワークショップとして開始。
「大根島=パンの島」として島外にも認知される。子どもたちが自分でレシピを考え、次の世代に渡し始める。牡丹酵母パンの実用化研究——世界初への挑戦。
ここでしか育たない。
島根県外からでも参加できますか?
はい、大歓迎です。「移住しなくても深く関われる」ことがこのプロジェクトの本質です。東京からの日帰りや週末帰省のタイミングでの参加も想定しています。まずはお気軽にご連絡ください。
パン作りの経験がなくても参加できますか?
経験は一切不要です。むしろ「初めて触る感覚」がこのプロジェクトの財産です。三世代がそれぞれの得意を持ち寄る設計なので、パンが上手に焼けなくても、あなたにしかできない役割があります。
子どもや高齢者も安全に参加できますか?
三世代が安全に参加できることを前提に設計されています。炉・刃物などの危険な作業は大人が担い、お年寄りは体力不問で語り部・成形補助として参加できます。医療事務の経験を持つ創業者が、高齢者にやさしい参加設計をしています。
牡丹酵母パンはいつ食べられますか?
現時点では実験・研究段階です。桜やバラなど他の花酵母の先例はありますが、牡丹での実用化はまだほぼ前例がありません。子どもたちと一緒に観察・実験するワークショップとして位置づけており、実現の過程自体がこのプロジェクトの物語です。
参加費・開催日程はどこで確認できますか?
現在、プロジェクトは立ち上げ期にあります。SNSのフォローやお問い合わせからご連絡いただくことで、最新情報を優先的にお届けします。関心を持っていただいた方には、プレ参加者として特別なご案内をする予定です。
「係」は毎回続けないといけませんか?
強制ではありません。ただ、「帰ってくる理由」として設計されています。「今月の酵母、どうだった?」と聞いてもらえる場所があること——それだけで、人は自然と戻ってきます。あなたのペースで構いません。
パンづくりを入口に、人・食・場所・文化をつなぐ「LOCAL FOOD COMMUNITY PROJECT」。会場をお持ちの方、パン講師の経験がある方、地域のことをよく知る方——あなたの町での開催も、まだ形になっていないアイデアから一緒に考えます。
この島の土が、パンになる。
Contact
大根島で手作りパン
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